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入所者の方が不幸にしてお亡くなりになった場合、その葬儀において、担当した職員が園を代表して弔辞を読みあげます。このことは担当職員が誠心誠意勤めなければ、とうてい弔辞の文を作り読みあげることはできません。職員の気持ちが伝わった時の感激と、お世話させていただいた感謝の思いをあらわす弔文の一例をご紹介いたします。
 「笑顔」
翡翠ユニット ユニットリーダー 長谷部 耀
  弔辞



 今は亡き、太田眞利子様の御霊前に、温水園の職員を代表いたしまして、謹んでお別れの言葉を申し上げます。あじさいの花が雨に輝く朝に突然の悲しい知らせを聞き、とても残念でなりません。
 太田様、六七年間の人生、五一才で病に見舞われ一七年にも及ぶ長い闘病生活、本当にお疲れ様でした。太田様は平成一五年にご縁があり十数年の長い月日を温水園でお過ごしになられました。私も太田様とは三年間一緒に過ごさせていただきこれからも穏やかな日々を一緒に過ごせると思っていた矢先、突然の訃報を聞き未だに驚きを隠すことができません。
 ここからはいつも通り「眞利子さん」と呼ばせてください。眞利子さまは私たちに様々な表情を見せてくださいましたね。入所したばかりの頃、お食事を食べている際、職員が冗談を言うとニコッと素敵な笑顔を見せてくださっていた事を聞いております。私が眞利子さんと一緒に過ごす日々の中でもお部屋を訪れ「眞利子さん」と声を掛けた時には目を大きくあけ私の方を見てくれたお顔、職員の手や服を左手で掴み微笑むようなお顔、少し天気が悪い時に窓から外の様子を眺めていただいた時の少し驚いたようなお顔、どの表情も私の中に強く残っております。
 また体調が良い日に散歩した際には「まりこさん、いつも肌が綺麗ですね」「表情が良いですね」とたくさんの職員が声を掛け、真利子さんの顔を見て職員が自然と笑顔になれるような方でした。ありがとうございました。
 ご主人の初盆の時には、息子様の新居に帰ることができました。温水園に戻ってきた時に、眞利子さんが涙を流していたと聞いた時にはご家族さまとの時間を家で過ごすことができ本当に良かったなと職員一同感じました。
 長男様の和章様夫妻・長女のひとみ様がよく面会に来て下さりお部屋での時間を過ごされていました。
「お母さん、来たよ」と声を掛け、手を握って、ご家族様と過ごしている眞利子さんの顔はとても穏やかで、母親の表情だなぁと思いました。またお誕生日や母の日にはお母さんが心地良く過ごせるようにと枕や掛け物をプレゼントされたり、いつまでも綺麗にいられるように化粧クリームを持ってきて、親子一緒に過ごす姿から母親を思う優しい心を学ばせていただきました。眞利子さんが寂しい思いをすることがなく、穏やかに過ごす事ができていたのも、ご家族様のお母さんを想う愛情と優しい心のお陰と感じさせていただきました。本当にありがとうございました。
 五月八日に熱発の為中村病院に入院し、六月一五日に無事退院され、温水園に帰ってこられました。またこれから、眞利子さんのケアをさせていただき、ご家族様との楽しい時間も多く過ごしていただきたいと思っていた矢先、六月二七日七時五九分ご逝去されました。
 まりこさん。私は眞利子さんから、今毎日過ごしている一日一日が決して当たり前の一日では無いということを学ばせていただきました。
 今日お別れしなければと思うと悲しみに耐えませんが、私も今入居されている方、これから巡り合う方々に一日一日大事に心を込めてお世話させていただくことをお誓い申し上げお別れの言葉といたします。どうぞ天国からご家族様と私たち職員をお見守り下さい。



       平成三〇年六月二九日
           特別養護老人ホーム 温水園
           翡翠ユニット ユニットリーダー   長谷部 耀

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